【News】ESRSの導入が報告義務化のゲームチェンジャーに

ESRSとGRIスタンダードの相互運用に関する重要なニュースがGRIより発表されましたのでIDCJによる仮訳でお知らせいたします。

<<ESRSの導入が報告義務化のゲームチェンジャーに>>

GRI配信:2023年10月18日

欧州議会は欧州サステナビリティ報告基準とGRIとの緊密な連携を確認しその展開を支持

GRIは、2024年1月以降に5万社に適用されることになる欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)へのコミットメントを再確認した欧州議会での投票結果を歓迎する。

GRIとEFRAG(ESRS策定を委任された欧州財務報告諮問グループ)が最近確認したように、新たなESRSとGRIスタンダード(欧州をはじめ世界中の何千もの組織ですでに広く使用されている)との間には、高いレベルの相互運用性が達成されている。

ESRSとGRIの定義、概念、インパクトに関する開示は、可能な限り完全に一致している。ESRSは企業持続可能性報告指令(CSRD)の中心的な要素であり、EU内のすべての大企業および上場企業に適用される。2028年以降、欧州で事業を展開するEU域外の企業も、ESRSまたは同等の基準を用いてインパクトを報告しなければならない。ESRSとGRIのインパクトスタンダードとの整合性は、企業にとって、既存の報告を活用してこれらの新しい要求事項を満たすことができるという安心感を提供する。

GRIは目下、報告プロセスを簡素化し、企業が単一のサステナビリティ報告書の中でESRSとGRIスタンダードのいずれにも準拠した報告を行なうことを支援するため、デジタルタクソノミーとマルチタギングシステムを含む相互運用性ツールを策定中である。

「欧州議会がESRSを承認したことは、政治的な議論からこの新しいルールの実践への移行を象徴するものであり、歓迎すべきことである。ESRSとGRIスタンダードとの間で緊密な整合性が達成されたことは、インパクトに関する透明性を実現するグローバルな推進役としてGRIの重要性が高まっていることを示すものである。GRIはEFRAGや他の基準設定機関と国内・国際レベルで積極的な関与を継続し、インパクト報告のモメンタムをさらに高め、企業の報告負担を軽減しつつ、ステークホルダーが必要とするサステナビリティ情報を確実に提供することを目指す。これは、規制当局の信頼できるパートナーとしてのGRIの役割の進化を反映したものであり、GRIを利用した報告はクオリティが高く、さらに義務化されつつあるサステナビリティ報告を下支えするものである。」

―GRI最高経営責任者(CEO)、エルコ・ヴァン・デル・エンデン氏

「過去2年間、GSSBはEFRAGと緊密に協力し、お互いの基準間の技術的な整合性を確保してきた。ESRSの導入が近づくにつれ、この作業は現在のGSSBの作業プログラムの中で最優先事項となっている。さらに、GRIスタンダードを利用した報告がEU域外の企業にも同等のものとして受け入れられるよう、EUの各機関と合意形成に努めていく。」

―キャロル・アダムスGRIグローバル・サステナビリティ・スタンダード・ボート(GSSB)議長

10月18日の欧州議会での投票において、欧州議会議員はESRSに制限を導入することを求める決議を否決し、最終的な採択への道を開いた。

2021年以降、GRIはEFRAGとの協力協定を通じて、ESRSを開発するための技術的作業を正式に支援してきた。GRIはこれまでにGRIスタンダードとESRS草案がどのように相互運用されるかを報告組織に説明するためのFAQガイダンスを公表してきた。

GRIは、GRIアカデミーの最新コース「Transparency for Tomorrow(明日への透明性)」を含め、サステナビリティ報告の行程において組織を支援するためのトレーニングやツールを提供しています:これには、GRIアカデミーの最新コース「明日への透明性:サステナビリティ報告の背景を読み解く」が含まれます。なお、GRI報告組織のためのESRSに関するトレーニングとサービスは現在開発中です。

※上記記事はGRIサイトの以下の当該ページを弊社が仮訳したものです

GRI – Final adoption of ESRS a ‘game changer’ for mandatory reporting (globalreporting.org)

掲載:2023年10月24日

【News】GRIスタンダードと欧州サステナビリティ報告基準の相互運用に関するGRI発表

GRIスタンダードと欧州サステナビリティ報告基準の相互運用に関するGRI発表  2023年7月31日

欧州委員会は欧州サステナビリティ報告基準(ESRS: European Sustainability Reporting Standards)とGRIスタンダードとの整合性を表明しました。GRIスタンダードに準拠してサステナビリティ報告を行っている報告組織においては、報告書作成の二重の手間を大幅に削減できることになります。

本内容はIDCJが独自に行った仮訳であり詳細についてはGRIおよびEUの各サイトでご確認ください

GRI – European Commission signals ESRS alignment with GRI (globalreporting.org)

European sustainability reporting standards – first set (europa.eu)

欧州委員会、ESRSのGRIとの整合性を確認

発行日:2023年7月31日

EUの新たなサステナビリティ基準採択がグローバルな相互運用を加速させる。

欧州委員会が欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の12の基準から成る最初のセットを採択したことをGRIは歓迎し、GRIを利用している報告組織がESRSの下で報告を行うための十分な準備が整っていることを再確認した。2024年1月以降、EUの大企業および上場企業は、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に定められたESRSの使用が要求事項となる。

欧州委員会は、声明の中で、ESRSが「EUとグローバルスタンダードとの間で極めて高い相互運用性を確保するために、また、企業による不要な二重報告を防ぐために、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)およびグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)との協議を考慮に入れている」ということを明らかにした。

2021年以降、GRIは、ESRSの立案および作成を委任された機関であるEFRAGとの協力協定を通じて、公式にESRSの開発に技術支援を行っている。EFRAGとGRIは現在、将来的な協力関係を強化するための次のステップの計画の最終化を行っている。特に、両組織は、それぞれのスタンダードに関するデジタル分類法とマルチタグシステムを通じて、報告プロセスを簡素化することを目指している。両組織の連携による継続的な取り組みにより、企業は1つの報告書を以ってESRSとGRIスタンダードの両方に準拠した報告を行うことができるようになる。

「世界で最も広く利用されているインパクト・スタンダードのプロバイダーとして、ESRSとGRIの相互運用性を最大限に引き出し、企業による二重報告の回避を目指します。インパクトのみならずリスクや機会など、あらゆるサステナビリティのトピックにグローバルなスケールで取り組む使い勝手の良い報告システムを我々は信念にしています。この立場は、グローバルで包括的なサステナビリティ報告のベースライン達成のためにISSBと継続的に協力するという我々のコミットメントにも反映されています。」—GRI最高経営責任者(CEO)エルコ・ファン・デル・エンデン氏

EFRAGとGRIのMoUに基づき、両組織は互いの技術専門家グループに参加し、情報を共有し、基準設定活動とスケジュールを可能な限り一致させることを約束した。2022年12月、GRIは、GRIスタンダードとESRS草案がどのように相互に接続するかについて報告組織に説明するためのFAQガイダンスを発表した。

また、GRIはIFRS財団とMoUを締結し、2022年3月から両組織が協力して、GRIとISSBのスタンダードの整合性と補完性を確保している。

企業サステナビリティ報告指令は、ダブル・マテリアリティの原則に基づくサステナビリティ開示要求事項を大幅に拡大するものである。2022年12月16日から施行され、2024年以降、約5万社がサステナビリティへのインパクト、リスク、機会の開示を求められることになる。

<参考資料>

GRI – GRI welcomes role as ‘co-constructor’ of new EU sustainability reporting standards (globalreporting.org)

GRI – GRI reporting best prepares companies for new EU standards (globalreporting.org)

IFRS – IFRS Foundation and GRI to align capital market and multi-stakeholder standards to create an interconnected approach for sustainability disclosures

Corporate sustainability reporting (europa.eu)

掲載:2023年8月2日