ゴール2:飢餓をゼロに

飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。

ゴール2では、2030年までに飢餓を終わらせ、食料安全保障を確かなものとすることが目指されている。ミレニアム開発目標(MDGs)時代の取り組みを通じ、世界の栄養不良の人口比率は徐々に低下している。しかしながら、依然として約8億人が十分な食事をとれていない。地域的にはサハラ以南アフリカと南アジアにおいて食糧不足が顕著である。乳幼児の栄養不良についても問題は解決していない。2014年の時点で5歳以下の栄養不良児は世界で1.6億人に達すると推定されている。栄養不良児の総数が最も多いのはやはりサハラ以南アフリカと南アジア地域である。世界の栄養不良児の四分の三がこの二つの地域に居住している。

全ての人々の食糧へのアクセスを確保するため、農業は持続的に発展する必要がある。そのためには、農業生産性の上昇、小規模農家の所得向上、土地、技術、市場へのアクセスの機会均等、持続的な食糧生産システム、農業部門への投資の増加などが求められる。企業は自らの技術やノウハウを活用し、様々な方面から食糧不足や農業生産性向上、栄養不良改善に向けて貢献することができる。例えば、ロボット技術やICT等の先端技術を活用したスマート農業が注目されている。さらに、持続的な農業開発に向けて責任ある農業投資といったアプローチにも関心が集まっている。食料安全保障を確かなものとする試みには、巨大なビジネスチャンスをもたらす可能性がある。

ゴール2には2.1から2.cまでの8つのターゲットがある。2.1では飢餓の撲滅、2.2では栄養不良の解消が対象となる。特に五歳未満の子供の発育阻害に対処することが目指される。飢餓を終わらせるためには何よりも食料増産が不可避であり、2.3では(特に小規模生産者の)農業生産性の向上が課題となる。また近年の気候変動を受け、2.4では干ばつや洪水といった自然災害への適応能力を強化することが目指される。そして2.5では動植物の遺伝的多様性の維持が求められる。最後に2.aから2.cでは、国際協力や貿易構造や市場の整備を通じて食糧生産を促進することが目指されている。

ゴール2のターゲット

2.1 飢餓を撲滅し、安全で栄養のある食料を得られるようにする
2.2 栄養不良をなくし、妊婦や高齢者等の栄養ニーズに対処する
2.3 小規模食料生産者の農業生産性と所得を倍増させる
2.4 持続可能な食料生産システムを確保し、強靭な農業を実践する
2.5 食料生産に関わる動植物の遺伝的多様性を維持し、遺伝資源等へのアクセスと、得られる利益の公正・衡平に配分する
2.a 開発途上国の農業生産能力向上のための投資を拡大する
2.b 世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正・防止する
2.c 食料市場の適正な機能を確保し、食料備蓄などの市場情報へのアクセスを容易にする

用語

スマート農業

スマート農業とは「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」を指す。

責任ある農業投資

責任ある農業投資とは、「農業投資によって生じ得る負の影響を緩和しつつ、農業投資の促進を通じて農業生産の増大、生産性の向上を図ることで、投資受入国政府、小農を含む現地の人々、そして投資家という3者の利益の調和と最大化を目指す」ことを指す。

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