開発コンサルタントとして働くためには、海外を含む業務経験が求められるのに、その経験を積もうにも、即戦力ではない人材の募集は少ない。キャリア形成に際し、そんな難しさを感じたことはないでしょうか。私自身、専門性として高めたい分野がマイナーであり、参考にできる先達も少なかったため、手探りで経験を積んできました。案件に参画できるようになるには、「自分のCVを厚くする」ことが必要です。若手の時には、国内外を問わず、自分の守備範囲外の仕事に参画する機会も巡ってきます。今、振り返ってみると、そうして積み重ねてきた経験が役に立っていることを実感します。
JICA事業に参画するには、公募される専門家に個人で応募する方法と、公示された業務内容にコンサルタントとして応札する方法があります。公募で派遣されると、対象国に長く滞在し、政府関係者や裨益者と深く関われる醍醐味がありますが、案件が終了すれば無職となるため、シームレスに働き続けることが難しい面があります。コンサルタントを選んだのは、継続的に働きながら、チームとしてプロジェクトに取り組むことができる仲間や味方を増やしていきたいという思いがあったからです。専門分野の違うコンサルタントから教わり、視野を広げることは、一匹狼ではできません。IDCJには、こうした熱意を受け入れてくれる先輩方が多くいると思います。
大手開発コンサルティング企業、社会福祉協議会、JICA専門家、NGO勤務等を経て、英国大学院で修士号を取得し、2015年にIDCJに入職。現在、マレーシアやスリランカなどでの障害者支援分野の案件を中心に従事。