大学(経済学部)を卒業後、国内最大手の臨床検査受託会社に入社し、初めて医療の世界と関わり医療やいのちに関する勉強が始まりました。その仕事を通し医療やそれに関わる多くの方々からの学びと大学時代から淡く抱いていた国際貢献への憧れが繋がり、キャリアチェンジのため会社を退職し米国チュレーン大学院で公衆衛生学を学びました。その後、NGO・WHO・医学部での研究員といったキャリアパスの中で専門分野の保健財政(医療保障)の研鑽と途上国の実情の理解に励みました。
WHOインドネシア勤務の様子(2012年)
2015年からWHOカンボジアで保健財政政策の専門家として赴任していた経験を活かし、同国でJICAの医療保険導入計画策定プロジェクトに従事する機会を2018年まで得ることが出来ました。その中で、医療保障制度を苦労して導入出来たとしても、実際に持続的に運営・管理していく上でオペレーションシステム(ITシステム)というような具体的なソリューションも無いと医療保障制度自体の持続可能性が難しいと感じていました。そんな中、日本のある民間企業が社会保障に係るシステム導入の活動をカンボジアでも実施しており、国際貢献という文脈での活動に苦労されていることを知りました。そこで、当方のカンボジアでの経験・人脈・専門性を活用してもらう形で、カンボジア人による持続的な運営・管理が可能なオペレーションシステムの導入に向けて協働するようになりました。
2019年にIDCJに入職してから現在に至るまで、アフリカにおける医療保障やデジタルヘルス分野のJICA案件に従事する傍ら、上記民間企業からカンボジアでの社会保障システム導入に向けたコンサルティング業務を継続的に受注しています。医療保障制度という仕組み作りの専門的な支援と、その仕組みを実際に動かし現地政府が自ら継続して運用出来るようなITシステムという具体的なソリューションの掛け合わせにより、対象国の人々が健康で安心して生活出来るような未来になる支援が出来ればと思い精進しています。
カンボジアでの民間企業との協働:サッカー好きなカウンターパートとサッカー外交(2023年)