国際シンポジウムやセミナーの開催、海外の開発問題専門家の招聘、国際会議への参加、IDCJ研究員の途上国政府への派遣、海外開発関連機関とのネットワーク作り等を行い、多様なパートナーシップを形成しています。
非財務情報開示の重要性が広く認識される中、Global Reporting Initiative(GRI)スタンダードの理解促進を図るため、GRIのCEOであるEelco van der Enden氏および随行幹部の訪日をサポートした。同氏は2023年10月11日に来日し、その後10日間ほどかけて、金融庁、経産省、経団連などの関係機関を訪問したほか、金融機関、業界団体、NGO等と意見交換を行った。また、弊センター、Global Compact Network Japan(GCNJ)、経団連、上智大学において「サステナビリティ報告の将来」と題するセミナーを行った。さらに、日本の実務家に向けたメッセージ動画の収録を行った。この動画はIDCJ SDG室のウェブサイト(下記)で公開されている。
https://www.idcj.jp/sdgs/topics/gri-ceo-lecture-movies/
誰もが自分らしさを活かせる社会の実現に向けて、多様性や包摂性を高め、より公正で平等な社会づくりへの取り組みが重要となっている。NGO「UMNICHKA」は、ウズベキスタンで約15年にわたってダウン症の子どもの社会適応のサポートや、ダウン症児の保護者への支援、政府や社会へのアドボカシー、国内外の関連機関とのネットワーク構築などを積極的に進めている。2023年10月に同NGOの代表Ms. Ikramova M. Shahnozaを招へいし、日本におけるインクルーシブ教育実践の状況を学ぶ機会とした。また、主に東京を拠点に活動するNPO法人アクセプションズ(ダウン症児親の会)との交流会を開催、日本やウズベキスタンのダウン症児を取り巻く教育環境や社会参加の現状、抱える課題を共有した。国や文化に違いはあっても、障害のある子どもをもつ親の気持ちは共感できることが多く、情報交換や助言など交流が深まった。
国際教養大学は米国ミシガン州立大学から助成金を受領しPartnership for Innovative Research in Africa(PIRA)プロジェクトを実施した。本プロジェクトは南アフリカと日本の農業実業家(それぞれ5~10名)をつなぎ、それぞれのビジネスモデルや今後の戦略・課題等について協議し、両国間で新たな協働の可能性を探ることを目的として2021年秋に開始された。当センターは国際教養大学からの依頼を受け、日本人参加者の選定に関与するとともに、本プロジェクトのコーディネート業務を担った。2021年度は計4回に渡ってオンラインで両国のメンバーがワークショップ形式で協議を行い、次年度の相互訪問に向けた活動を行った。2022年度は日本人参加者5名による南アフリカへの訪問に同行し、現地での交流・協議のサポートを行った。2023年度は南アフリカからの参加者10名による日本での日本人参加者の農業現場の視察や意見交換のサポートを行った。
一般社団法人日本食農連携機構が主催した「九州食農セミナー」を独立行政法人国際協力機構とともに共催した。農業従事者の高齢化や人口の減少が顕著な地方においては、外国人材の参加による地域農業のグローバル化は喫緊の課題である。同セミナーでは地域農業のグローバル化について考えるために、地域の若手農業経営者、海外からの留学生、日本に農業研修に来ているインターン生などが集まり、発表・意見交換を行った。また、技能実習を通じて自国で活躍する農業人材育成に積極的なインドネシア大使館にも、その取り組みについてご報告いただいた。
マサチューセッツ工科大学の「貧困アクションラボ」(J-PAL)は、最も厳格なインパクト評価デザインであるRCT(ランダム化比較実験)により、客観的なエビデンスの産出を続けており、J-PALのバナジー教授らは2019年度のノーベル経済学賞を受賞した。本セミナーでは、インドネシアの非営利団体でJ-PALと協働でプロジェクトを実施した経験を有するコペルニクとともに、RCTの実践事例やその意義について共有した。
日本のフィットネス・ジム市場は健康ブームの到来とともに近年、拡大を続けている。しかし、1施設あたりの推定売上高(市場規模/施設数)は大きく減少傾向で、市場規模は全体としては拡大しているものの競争環境は厳しくなっている。一方マレーシアでは、成人人口の糖尿病比率がアジアで最も高く、非感染性疾患(糖尿病、心臓血管病、癌等)の予防が国家目標になっている。そこで、本事業では日本とマレーシアのフィットネス業界関係者間で情報交換を行った。日本企業にとっては新たな市場開拓のヒントとなり、マレーシアにとっては国家目標でもある非感染症疾病の予防や今後課題となる高齢化社会への対応にも役立つことが期待される。
途上国にとって海外からの投資の受け入れは、その社会経済の発展に不可欠である。中東のゲイトウェイとして位置づけられるヨルダンを事例として取り上げ、同国・地域への投資に関心を持つ日本企業とヨルダン企業との間の意見交換会を2年度にわたって実施した。2016年度はアニメ、ゲーム、児童書の分野で、日本企業の社員が現地を訪問し、同分野の複数の企業や業界団体への訪問及び意見交換を行った。2017年度は児童書産業を取り上げ、同分野のヨルダン企業関係者を日本に招聘し、日本企業との意見交換を行った。こうした活動を通じて中東市場に関する理解を深めた。
従来、大学卒業後に世界を舞台に活躍したいと考える学生は、欧米の大学に留学することが多かったが、学費の高騰や経済的低迷等で日本からの留学生数は減少傾向にある。他方、アジアは近年、急速な経済発展を遂げつつあり、これからも世界ビジネスの中心の一つとして成長していくことが見込まれる。アジアの大学に留学し、世界経済を身近に触れつつ学ぶことで、将来、世界を舞台に仕事をする学力や素養を身につけた人材が育成されることが期待される。
アジアの中でも、治安が良く、授業が英語で実施されるマレーシアは、多民族・多言語・多宗教で世界の縮図のような国である。授業料や生活費も廉価であり、グローバル人材の育成を図るには最適の国であるといえる。しかしながら日本におけるマレーシアの大学の知名度は低く、その実情はあまり知られていない。そこで、マレーシアの複数の大学のスタッフを招へいし、日本の高校生や大学関係者を主たる対象にマレーシアの大学に関して紹介・説明するマレーシア留学フェアをマレーシア政府観光局の後援・共催を得て2年間にわたって計3回開催した。いずれのフェアも、多数の大学関係者、高校生、留学関連事業者の参加を得た。マレーシアの大学に関する情報・知見を広めるとともに、同国への留学の意義を伝えることができたと考える。
<レポート1>「日中韓3か国及び北朝鮮の方針を踏まえた北朝鮮経済開発の方向性「北朝鮮と北東アジアの経済社会開発に関する研究事業」研究会
((株)国際開発センター 主任研究員 西野 俊浩)PDF
<レポート2> 朝鮮の経済改革の現状と今後
(朝鮮大学校 准教授 朴 在勲) PDF
<レポート3> 北朝鮮の経済開発における中国の取り組みと日本への期待
(遼寧社会科学院東北アジア研究所 所長 金 哲) PDF
<レポート4> 北朝鮮の経済開発と日中韓の関与のあり方
(帝京大学 講師 李 燦雨) PDF